コーチング

はじめに

コーチからよく「声を出そう!」って言われませんか?

まあ「返事しましょ」って意味もあるのかもしれませんが、サッカーの世界では「コーチングしよう!」という意味で使われています。

そして「声出そうぜ!」「おう!」「気合い入れろや!」「おう!!」は残念ながらコーチングではありません。

ではこの「コーチング」っていったい何なのか?

なぜ必要なのか?

簡単に言うと「試合中に味方を助ける言葉」ってところでしょうか。

あなたのその一言で味方のプレーがより良くなったらそれはコーチングです。

おめでとう!

キーワード

日本語は前置きが長く言葉の終わりで意味が決定する言語です。

例えば「マークされてないからパスを(くれ!)」「マークされてるからパスを(するな!)」といったように。

試合中にこんな長々と話していたら話し終わる前にやられてしまいますよね。

ここで必要なのが「キーワード」です。

キーワードとは「内容を把握するための手がかりとなる重要な言葉」という意味で、一言で言える短い言葉です。

実はコーチが言う「声を出そう!」もキーワード的なものでして、本来はピッチ内の選手同士でうまく意思疎通しないとダメなのにできてないですよーという意味なんですが「気合い入れろや!」「おう!」ってなっちゃってるってことは伝わってないってことですねw

以下に例としてパスを受けるときのコーチングを2つ書き出してみます。

キーワードからやるべきプレーが「瞬時に」イメージできると思います。

キーワードには共通語みたいなものもありますが自分たちにしか分からない秘密のキーワードを作るのも良いでしょう!

【フリー】 ⇒ マークされていません ⇒ ボールだけに集中してワンタッチで前を向きましょう

【来てる】 ⇒ マークされています ⇒ 奪われないようにボールをコントロールしましょう

※余談ですが「勉強しなさい!」もキーワードという説がw

聞くということ

どんなに素晴らしいキーワードを作っても、それを聞いて瞬時に理解して行動に移さなければ意味がありません。

しつこいようですが「声出そうぜ!」「おう!」「気合い入れろや!」「おう!!」ってやつですねw

ここで問題ですが「聞く」って英語で書けますか?言えますか?

いくつかあるのですが、まず「HEAR」これは「自然と耳に入ってくる」というような意味で「LISTEN」は「自ら耳を傾けて意識的に聞く」というような意味です。

さてサッカーではどちらがふさわしいでしょうか?

答えは「LISTEN」です。

キーワードに「自ら耳を傾けて意識的に聞く」ことを繰り返し「無意識のうちに身体で表現」できるまでに「習慣化」してはじめてコーチングは意味を成します。

ボールコントロールに集中しすぎて話を聞く余裕がないのであれば、普段の練習で会話しながらプレーするのはいかがでしょうか。

サッカーって本来そういうものだと思います。

なになに?コーチに「会話するな!」って怒られるって?

それはきっとお友達とだけ楽しく会話してて「コーチの話を聞いてない(会話してない)」からじゃない?

※余談ですが「勉強しなさい!」を聞くときは「LISTEN」でお願いしますw

共通理解

キーワードにルールを決めて行動に移す、ここまではお分かりいただけましたでしょうか?

しかしコーチングの力はこんなものではありません。

以下の例を見てください。

シーンは「相手ゴール前でパスを受けるとき」です。

【フリー】 ⇒ マークされていません ⇒ シュートできる!

このように、きっとこの選手はシュートするでしょう。

では他の味方選手はただ見ているだけでしょうか?

何か「自発的に」できることはないでしょうか?

ありますよね?

例えば「シュートのこぼれ球を狙う」とか「GKがキャッチしたときに備えて守備の準備をする」とかです。

キーワード【フリー】によって複数の選手のプレーが明確になりましたね!

たった1つのキーワードで「全員が共通のイメージを持ち」「それぞれが自発的に行動を選択する」、これが「コーチングの本当の力」であり、これが「組織的なサッカー」です。

そのためには、選手全員がサッカーのセオリーを理解していなければなりません。

どの選手に聞いても「こうしたほうが良い」と自分なりに答えられなければなりません。

良いチームとは「戦い方を知っている選手たちの集まり」です。

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