「交流分析」を活用しよう!

はじめに

サッカーは「仲間と協力しながら行う団体スポーツ」です。

練習では「自分自身のレベルアップ」を図ることは勿論のこと「仲間のレベルアップ」にも手を貸すことにより「チーム力」を高めます。

また試合では「自分のプレー」に全力で取り組むことで「味方を援護」し、逆に仲間からも「援護される」ような関係が必要です。

この「仲間との関わり方」が、練習の効果を大きくしたり、試合を決定づける要因になります。

どんな「技術」「戦術」「体力」の知識よりもまず先に「人との関わり方」を理解し、身に付け、上手く使えるようにすることが、団体スポーツで最も重要なことです。

「交流分析」とは

交流分析とは「人との関わり方についての心理学」です。

相手の起こす「アクション(行動・態度・言葉)」によって「良い気分」や「嫌な気分」になったりするのはナゼなのか?

そして、それらはどのような「アクション」によって変化するのか?といった内容がテーマとなります。

はじめに断っておきますが、この記事はイジメを肯定するものではありません。

あくまでもサッカーチームの人間関係を円滑にしてチーム力を向上するための情報として記載しています。

この先は、共感していただける方のみお読みください。

読んでいただいた方に有意義な情報となれば幸いです。

もし、あなたが人から褒められたら、叱られたら、無視されたら、どんな気持ちになるでしょうか?

褒められたら「嬉しい」、叱られたら「辛い」、無視されたら「悲しい」のではないでしょうか。

これらはすべて、相手の起こす「アクション」によって引き起こされるものです。

あなたは人を褒めたり、叱ったり、無視したりしたことはありますか?

褒めたことは当然あるでしょうし、必要であれば相手を思って叱ることもあるでしょう。

無視は・・・いかがでしょうか。

では仮に、あなたが人から褒められたり、叱られたり、無視されたりしたのだとしたら、その原因は何だと思いますか?

例えば「良いこと」をしたら褒められるし「悪いこと」をしたら叱られるし「無視される理由なんてない!」といったところでしょうか。

でも、もしかすると、そこには、あなたの「アクション」が関係しているのかもしれません。

なぜなら「あなたの気持ちを100%理解できるのは、あなただけ」だからです。

相手に好意や敵意を伝えてしまっているのは「(全てではないでしょうが)アクション」であって、心で思っているだけの「気持ち」が相手に伝わることはエスパーでない限り難しいと思います。

逆に考えると、この「アクション」をうまく「コントロール」することができれば、良い人間関係が築けるようになるはずです。

そうなるためには、それを知り、サッカーと同じように「トレーニング」することが必要です。

この記事を読んで意味が理解できたら、家族や親友とシュミレーションしてみることをお薦めします。

人間関係の達人になって良いチームを作りましょう!

では、細かく見て行きます。

ストローク

ストロークとは「相手の存在や価値を認める行為」のことです。

別名「心の食べ物」とも言われ「人が健やかな心で生活するために不可欠なもの」です。

心もお腹が空くんですね。

ストロークには「プラス(+)」「マイナス(ー)」と「肉体的」「心理的」の要素があります。

この「プラス(+)」のストローク(プラストローク)は、お互いに良い気分になる「ハッピーな行為(好きな食べ物)」と言われています。

逆に「マイナス(ー)」のストローク(マイナストローク)は、受け手としては「アンハッピーな行為(嫌いな食べ物)」と言われています。

マイナストロークは、たとえ「相手の為」であっても、受け手には「ダメージ」となることがあるので注意しましょう。

また「肉体的」なストロークは「接触」を伴うもの、「心理的」なストロークは「行動」と「言動」に分かれます。

行動は「表情や身振り」など、言動は文字通り「言葉」です。

以下がその例です。

これを「する側」「される側」両方の視点で見るようにしてみてください。

プラス/
マイナス
肉体的/
心理的
一般的な例サッカーの例
プラス肉体的・握手
・タッチ
・ハグ
・審判と握手
・ミスした味方にタッチ
・ゴールした味方にハグ
プラス心理的(行動)・笑顔
・見る
・頷く
・味方がミスしたが笑顔
・話している相手を見る
・話を聞きながら頷く
プラス心理的(言動)・挨拶
・褒める
・質問
・コーチに挨拶
・後輩を褒める
・分からない事を質問
マイナス肉体的・叩く
・蹴る
・押す
・頭にきたので叩く
・悔しくて地面を蹴る
・邪魔なので押す
マイナス心理的(行動)・睨む
・嫌な顔
・気に入らないので睨む
・指摘に嫌な顔をする
マイナス心理的(言動)・注意する
・怒る
・批判する
・ダメなことを注意する
・頭にきたので怒る
・意見されたので批判する

いかがでしたでしょうか?

プラストロークは「する側」「される側」ともに「気持ちが良い」ものだと思いませんか?

なんか「次も頑張ろう!」って気になりますよね!

もしそう感じてくれたのであれば、実際に惜しみなく与えましょう!そして受けたら返しましょう!

はじめは恥ずかしいかもしれませんが、慣れてしまえば自然にできるようになります。

お互いに与えあえることができれば、相乗効果により味方のミスを補い、協力する場面が増え、コミュニケーションが活発になり、新しいアイディアが生まれるようになると思います。

一方、マイナストロークには「悪意に満ちた行為」も含まれていることに気付きましたか?

存在や価値を認めるという言葉は「あなたがいるから」という意味です。

また、いくら自分のためとはいえ、叱られたりするのはあまり気持ちが良いものではありませんね。

これがマイナストロークです。

悪意に満ちた行為は置いとくとして、よくサッカーの世界では「善意の行為」として、このマイナストロークが使用されています。

刺激が強いので相手にインパクトは残しますが、最終的に残るのは嫌いな食べ物の味だけということにもなりかねない諸刃の剣です。

もしどうしても必要なのであればプラスとマイナスの「合わせ技」にしてみてはいかがでしょうか?

ディスカウント

ディスカウントとは、マイナストロークすら与えない「相手の存在や価値を認めない行為」です。

簡単に言うと「心の栄養不足」です。この行為で人は深く傷つきます。

以下がその例です。こちらも「する側」「される側」両方の視点で見るようにしてみてください。

肉体的/
心理的
一般的な例サッカーの例
肉体的触らない握手を求められたが
恥ずかしかったので
握手しなかった
心理的(行動)仲間外れ試合のメンバー決めで
上手な仲間を集めるため
影で打ち合わ
心理的(言動)無視そういえば今日の練習
あの子とひと言も
会話しなかったなぁ

いかがでしたでしょうか?

繰り返しますが、ディスカウントは「理由はどうであれ」深く傷つきます。

言葉では伝わりにくいので、ぜひ家族や親友とシュミレーションしてみてください。

例えば一定時間を設けてあなたは話しかける。

そして相手はディスカウントしてみてください。

形式はシュミレーションですが、はたして心は無傷でいられるでしょうか?

そして、ここで1番知ってほしいことは、ディスカウントは「意図せずに発生する」ということです。

なぜなら、相手の存在や価値を「認めない」ことと、相手に「気付かないこと」は「結果的に同じ」だからです。

これをサッカーチームに置き換えた場合、相手はその結果を受けて、あなたを、チームを、どのように評価するでしょうか?

それは相手にしか分かりません。

これが「誤解の始まり」なんだと思います。

勝利にこだわり過ぎるチームにはこの傾向が強く、気が付いた時には一部の味方しか残らないという悲劇的な結果となることが多いようです。

このような悲劇を避けるためにも沢山の人にプラストロークを積極的に与えましょう!

ちなみに、面白半分でディスカウントする人は論外です!!!

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