目標設定
あなたは「このチームで叶えたい目標は何ですか?」と質問されたら即答できますか?もしできないのなら、まずあなたがやらなければならないことは「大きな目標」を決めることです。人は目標があるから頑張れる生き物です。「得点する」「試合で勝つ」「先発で出場する」何でも良いです、決めましょう。
ちなみにチーム(指導者)としての「大きな目標」は「良い選手を輩出すること」「良い成績を収めること」「サッカーを好きになってもらうこと」になるでしょうか。
そして次に、その「大きな目標」に辿り着くまでにクリアしなければならないと思われる「小さな目標」を考えてみましょう。「大きな目標」を達成するためには階段のように一歩一歩進まなければなりません。その一歩一歩が「小さな目標」になります。「大きな目標」が「得点する」であれば「小さな目標」は「シュートする」「サポートする」といった具合でしょうか。この「小さな目標」に更なる「小さな目標」を決めても良いです、これはエンドレスです。
ここで言いたいのは「目標を決めて、それに一歩一歩近づくこと」を「考えること」がレベルアップするうえで大事だということです。
また、「自分」の目標は「自分」で考えて「自分」で決めることです。目標は「決めるだけ」ではダメで「小さな目標」を決めて「少しでも進める」ことが大切です。後退してしまったら別の「小さな目標」を決めて「軌道修正」すればいいんです。
このように「各個人の目標」に向かって進む選手達で構成されたチームでしか、チームの「大きな目標」を叶えることはできません。指導者は「そんなあなた達」に出会える日を、首を長くして待っていることでしょう。
スケジューリング
目標設定ができたら今度はその目標を「いつまでに達成したいのか」を決めましょう。
簡単な「小さな目標」であれば「来週」とか「2週間後」とかですかね。そこそこ「大きな目標」であれば「来月」とか「半年後」でしょうか。「最終目標」であれば「最後の公式戦」など、まずは「自分の感覚」で「達成できそうな期間」を考えて決めてみましょう。根拠がなくても構いません。
チーム(指導者)のスケジューリングとしては「小さな目標」であれば「普段の練習」、そこそこ「大きな目標」であれば「練習試合」、「最終目標」はやはり「公式試合」で達成できるようなスケジュールを組むと思います。
このように「目標に期限を設定する」ことで「いま自分がやるべきことは何なのか」がぼんやりと見えてくるはずです。
プラン
スケジュールを決めることができたら、次は「どうすればその目標を達成できるのか」を考えてみましょう。
例えば「得点する」⇒「シュートする」が目標なのであれば「どのようなシュートが得点になるのか」を考えて「どのようなトレーニングをすれば良いのか」に辿り着きます。ここからが本来の指導者の仕事です。相談してみてください。
しかし、指導者のアドバイスばかりこなしているようでは不十分です。
自分で「良かった」と思うプレー「悪かった」と思うプレーを「自己評価」しながら行いましょう。
「どのような」練習を「どれくらい」やったら目標が達成できそうなのか?
その感覚が身に付きはじめたとき、目標に近づくことができるでしょう。
前倒し
プランの感覚が付いてくると、当初決めていたスケジュールよりも早く目標を達成できることがあります。そんな時は決めた期限を早めて次のプランを行いましょう。これを「前倒し」といいます。
前倒すコツは、はじめに「緩いスケジュール」を組んでおくことです。無理しないで達成できる期限を切りましょう。
前倒しが続くと「大きな達成感」が得られ、前向きな気持ちでトレーニングに臨むことができます。
良い意味で「自分を騙す」テクニックです。
リスケ
前倒しの逆で「スケジュールよりも遅れて目標を達成」することを「遅延」といいますが、この場合はスケジュールを見直さなければなりません。これを「リスケ(リ・スケジュール)」といいます。
これは「スケジューリングが不適切」であったか「効率の悪いプラン」「目標が高い」ときに起きます。
決めたスケジュールが狂ってしまったわけですから、慌てるかも知れませんが、こんなときこそ冷静になって「期限が短かったのか」「練習内容が悪かったのか」「目標が高かったのか」を見極めましょう。
このような思考によって「本当の自分の力」を知ることができます。
自分を知らない選手は「自分がどれだけできるのか、できないのか」を客観的に見ることができません。
頭の中では「一流プレーヤー」であっても、実際は「ド素人」のパフォーマンスでは、正確な予定は立てられません。
逆に、自分に合った予定が立てられるようになったら占めたものです。
リスケ(リ・スケジュール)は、自分を知るためのトレーニングと心得てください。
良い準備
なぜ「早寝早起き」「バランスの良い食事」「時間を守る」「他の試合を観る」など、一見「サッカーと関係のない準備」をしなければならないのか?
それは「これらが敗戦の理由になってしまい、実際のプレーに関する反省ができなくなるから」です。
「早く寝なかったから」「遅刻したから」負けたのかもしれない、といった「サッカー以前の怠った準備」が原因になってしまっては「ちゃんと寝る」「遅刻しない」「他の試合中に遊ばない」が次の課題になってしまい、本来の「判断が悪かった」とか「パスミスが多かった」とか「簡単にマークを外してしまった」など「サッカーで怠ったこと」がまったく課題になりません。
このような状態では「敗戦から学ぶこと」はできず、次の試合も同じパフォーマンスで臨むことになってしまいます。そして同じ結果を招きます。
試合は「勝って学び、負けて学ぶ」ものです。そして、それらの学びの種類は「それぞれ別物」です。
しかし「良い準備」ができていなければ「負けて学ぶ」事すらできません。
そんな選手がはたして「勝って学ぶ」ことなどできるでしょうか。
どちらの「学び」も選手として必要であり喜びです。
それを知っているからこそ、一流選手は「入念な準備」をします、より上手くなるために。
だから「一流」なんです。
復習
あなたは、その日の練習や試合の「内容」を、いつまで覚えていられるでしょうか?
また、そのときの自分に「正しい評価点」を付けることができるでしょうか?
よく勉強のできる人は、テストが終わった直後に「自分が何点とれたか」が分かるといいます。
これはサッカーにも同じことが言えるのではないでしょうか。
トレーニングは「新しい事にチャレンジ」するのとあわせて「できなかった事をできるようにする」のが目的です。
その「できなかった事」が何なのか覚えていなかったら、それを「できるようにする」ことは不可能です。
次の練習、次の試合に臨むときに「前よりもレベルアップした自分」でなければ、結果は前回と同じになってしまうでしょう。これではまったく意味がありません。
物事は「たまたま」上手くいくこともあるでしょうが、上手くいったそのほとんどは「過去の出来事をより良くするために工夫した結果」です。
その機会が多い人ほど多くを学び、多くを得ます。