周りを見る(Look around)

はじめに

あなたは試合中、コーチから「周りを見ろ!」と言われたことはありますか?

おそらく99%の選手が1度は言われたことのあるセリフではないでしょうか。

そのときあなたは「いつ」「何を」「どのように」見ていますか?

ここでは「見る」ために必要なこととその重要性を説明します。

いつ見るのか?

サッカーは基本的に時間内で勝敗を決定するスポーツです。

野球のようにタイムをとることはできません。

なので審判はあなたが周りを見る時間など確保してくれません。

もっと言えば相手はあなたが周りを見ているその瞬間を狙っているかもしれません。

そんな慌ただしい試合の中でいったいいつ周りを見れば良いのでしょうか?

あるプレーを例に考えてみましょう。

今、あなたのアシスト(ワンタッチパス)でゴールが生まれました!

なぜ味方の位置を知っていたのでしょうか?

それは事前に把握していたからですよね?

今、あなたはドリブル突破してゴールを決めました!

なぜ相手をかわせたのですか?

なぜGKの位置を知っていたのでしょうか?

それはドリブル中に相手を見ていたから、シュートの前にGKの位置を把握していたからですよね?

どちらの例でも味方や相手の状況を見ているからこそ上手くいったプレーです。

では見るべきタイミングはいつですか?

そうです、「常に」ということになります。

イケてる選手は常にキョロキョロと周りを見ているおかげで様々な状況の変化に対応できるものです。

逆にイケてない選手はジーーーッとボールを見ているだけなので準備不足となり詰んでしまいます。

あなたはイケてる選手ですか?

それともイケてない選手ですか?

当然イケてる選手ですよね!

キョロキョロ!

何を見るのか?

あなたは今この記事を見ています。

そこで質問です。

その場でお答えください。

あなたは試合中に「周りを見ろ!」と言われたとき、何を見るべきか即答できますか?

もし即答できるのなら、あなたは見るべきものを間違えている可能性があります。

なぜなら見るべきものは状況ややりたいことによって変わるからです。

例えば、キックオフ直後は何も情報がないので全体(ボール、ゴール、人など)を見たほうが良いでしょうし、シュートがしたいのならゴールの位置、相手の状態、ボールの回転などを見なければゴールすることは難しいでしょう。

このように何を見るべきかは何をしたいかによって決まります。

何を見るべきか分からないのは知識がないからだけではなく、情報とアイディアもないからです。

普段から「今どうなっているのか?」「自分ならどうするか?」を考える癖をつけることが解決への近道となるでしょう。

どのように見るのか?

突然ですがここで英語のクイズです。

サッカーでの「見る」は英語で何と言うと思いますか?

次の2つから選んでください。

1つ目はLOOK、2つ目はSEE。

さあどっち!

正解はLOOKで意識的に見るという意味です。

一方、SEEは視界に入るという意味です。

あなたにはこの違いが分かりますか?

そして試合中のあなたはLOOKですか?SEEですか?

意識的に見るとは、例えば、味方は何を期待しているのか、相手は何を狙っているのか、どこにスペースが生まれそうなのか、ボールがどのように跳ねそうなのかといった予測を伴った見方です。

また、見る順番や時間なども意識できるとより効果的です。

見る順番が「味方⇒相手」なのか、それとも「相手⇒味方」なのかは状況によって異なりますし、一直線に飛ぶボールの軌道をいつまでも追うよりも落下点だけ予測して替わりにGKの位置を確認しておいたほうが良い場合もあります。

また、あえて目的とは逆の方向(フェイント)を見たり、どこも見ない(ノールック)でプレーすることも、見ることを利用した有効な手段です。

例えを挙げたらキリがありませんが必要なのは要領の良さとずる賢さではないでしょうか。

正直者なあなたは、まずそんな選手の真似から入ることをお薦めします。

さいごに

ここまで3つの見るを説明してきましたが、これらを達成するために共通していることは、良いアイディアを持つことであったり、準備する心構えであったり、要領良く(ずる賢く)進める気持ちであったりと、見るための動機をいかに充実させることができるかです。

簡単に言うと「興味を持つ」ことです。

サッカーに興味がない人が上手くならないのはこのためです。

サッカーが好きなのであれば、ぜひ普段の生活で規律、効率、感性を鍛えてください。

散歩中でも意識すればそれは頭のトレーニングをしてるのと同じことです。

また、これら3つは単独ではなく組み合わせることではじめて最高の情報収集能力を発揮します。

想像を超えるようなプレーはこの見るから始まることを覚えておいてください。

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