フラクタルってなあに?
サッカーには「ボールを持ったら攻撃」「ボールを奪われたら守備」という局面があります。
また、野球のようなチェンジ(攻守を入れ替える準備の時間)は設けられていないので「攻撃から守備への切り替え」「守備から攻撃への切り替え」という局面もあります。
ということで、まずはこれらの4局面(①攻撃 ②攻撃⇒守備 ③守備 ④守備⇒攻撃)からサッカーが成り立っている事がお分かりいただけたでしょうか。
そして「フラクタル」とは「形の適宜な一部を取ってもそれが全体と似ている成り立ちをしていること」とあります。
難しいですね。
これをサッカーに例えると「どのポジション、どのエリア、どの時間帯であっても、この4局面は常に存在する」ということです。
例えば、あなたが「センターフォワード」だったとします。あなたがボールを持っているのなら、もちろん攻撃(アタック)しますよね。
では、味方がボールを持っているときはどうでしょうか?あなたは味方のために何か(サポートなど)をしなければなりません。
また、ボールを奪われたのなら、あなたは守備をするために何か(ボールチェック、マークなど)をしなければならないのです。
たとえあなたが「センターフォワード」だとしても4局面は必ず存在するのです。
よくある悪い例として「センターフォワード」だからといって守備をしない、味方のために攻撃(サポートなど)をしない、自分がボールを持ったときだけプレー(アタック)するというものです。
この悪い例は、どのポジションでも同じ事が言えます。自分のポジションに当てはめて考えてみてください。
このような選手がピッチに多い場合、守備では「割り振られた位置」でしか守らず、抜かれても追わず、常に相手に数的優位を作られ、シュート(ゴール)まで持っていかれてしまいます。
悲しいことに、このような場合に良くあるのが「防げなかったゴールキーパーが悪い」という雰囲気が生まれることです。
攻撃に関しても「割り振られた位置」にしかおらず、その結果、パスコースは相手に全て塞がれてしまいます。
ドリブル突破を試みても相手の数的優位によって全て止められてしまうでしょう。
そしてボールを失った当の選手は「味方がサポートしてくれなかったから・・」といい、その周りの選手は「簡単に取られるなよ・・」と自分の役割を反省することなく試合は進んで行きます。
どのような状況でも試合中に「何もしない時間」などは存在しません。
ボールを持っている選手だけではなく、ボールを持っていない選手、ボールから遠い選手にも必ず役割があります。
この役割を理解して行動することによって、はじめて「チーム」でサッカーをしていると言えます。
その結果、試合の内容にも変化が表れて、良い結果となる可能性が高まるのです。
なので、普段の練習では試合を想定した「攻守の切り替え」や「何もしない時間を作らない工夫」を意識すると良いでしょう。
例えば、簡単なシュート練習であってもゴールするまで、ゴールキック、コーナーキックになるまで、本来の試合であればプレーが続いています。
ゴールキーパーが弾いたり、ゴールポストを叩いたりしてもプレーを続ける癖をつけるようにしましょう。
逆にゴールキーパーならキャッチしたあと、味方にフィード(手でパス)するところまで意識すると試合で通用する練習になるでしょう。
練習の順番待ちをしている選手は、プレーヤーに「コーチング」をしてみたり、次の作戦を立てたりして、何もしない時間をつくらないように心掛けたりと、少し考えればいくらでもアイディアが湧くはずです。
練習のための練習で終わらせず「試合のための練習」を多くこなすようにしましょう!